きっと新築時は夢と希望を詰めこんだ完成体のおうちだったと思います。
時代と共に建物も古くなって、あれやこれやと改装が必要になってくる。

新築ピカピカのかっこいいデザインの建物も好きですが、こうやって時代をコンクリートに刻んだような建物も好きなんですよね。
引いて引いて、限りなくゼロに近くなっていく。
引き算の美学と言いますか、あえて「引く」ことで新しい視点が生まれたりするものです。

リフォームが中断して、ほぼほぼスケルトン状態になったこちらの物件。
ところどころに以前の生活感の面影を感じられるところも魅力的です。

1階は登記簿上は26.7坪なのですが、床と天井が解体されている状態なので体感はもっと広め。
大きく取られた掃き出しサッシから中庭が見渡せます。
中庭も家庭菜園するには十分な広さで、いろんな野菜を育てれそう。

階段が劣化しているので床が抜けないように慎重に体重をかけながら2階に上がると、右手には屋根のない広いスペースがあります。
雨が降っていたのでプールと化していました。廃墟感満載です。
屋根がある部屋は約6坪あります。
ただ駐車場がないので、確保するためには玄関側の段差を平坦にする工事が必要になってくるのでご注意を。

沖縄県北部の名護市大西は高速道路「許田」ICから車で15分、名建築の名護市役所へも約4分と、名護市の中でも便利なエリア。
最近おしゃれなハンバーガー屋さんやコーヒーショップ、パン屋さんで賑わう名護市営市場も車で5分圏内です。

裏手にお墓があって、前面道路から少し先に行ったところは墓地になっています。
気にされない方でしたら、静かに住める環境なのでおすすめ。

どうでしょう、ここでイチからはじめてみるのは。
中はほとんど何もない白紙状態ですので、廃材処分費も節約できますよ。
個人的にはこの唯一無二の開放感を活かして、天井高く、中庭の緑を楽しめるようなおうちにするかなー。
なんて、妄想を膨らませています・・・。


text: ノハ