見た目、かなりヘヴィです。お部屋までコンクリート階段は踏面が若干斜め気味。手すりや支柱には爆裂した箇所もみられます。
途中、2階の踊り場には様々な物がごっちゃに積み上げられ、カオス感満載。こういうのが好きな人は、きっと「合格点」をくれるはず。
よくある普通のアパートの廊下や階段のイメージは一旦消し去ってください。

今回ご紹介するのは、1階が倉庫で2階にダイニングバーが入る雑居ビルの3階部分。50平米、2LDKのお部屋です。

玄関ドアから不自然に床上げされたLDKは約15帖。木板に塩ビシート直張りのフロアは、事務所の雰囲気もあるこざっぱりした長方形。
その先には洋室がふたつ。右手に青いカーペット敷きの6.8帖と、左手に毛足長めのベージュのカーペット敷き7.1帖。それぞれ大き目のクローゼットがありますが、ハンガーパイプがないので押し入れのような格好。

幸いなことにベランダがあるので、洗濯干し場はバッチリ。奥行き1.5m、幅6.8mと最近のアパートよりも広めなので、七輪囲んで炙り焼きなんて事も出来そう。
公団タイプのキッチンは、なぜがコンロ台（H650mm）が両サイドに設置されていますが、実質コンロ置き場は、レンジフードのある右側なのでもう片方のコンロ台は低すぎる作業台という扱いでお願いいたします。

15帖のリビングは窓が対面に設置されているため、気持ち良いくらい風が吹き抜けます・・・と言いたいのは山々ですが。

ここで、ひとつごまかせない事実。
この建物、国道を挟んだ向かいに嘉手納基地がありまして、上空を米軍機が飛来します。飛来頻度は県内トップクラス、さらに低空飛行というおまけ付き。騒音は、正直言って「うるさい」レベル。

そのため、例によってこの地域は騒音地区に指定されており「防マーク」のステッカー付サッシの窓、ドア、エアコン、換気扇が全室に装備されています。
音が気になるなら窓を閉めて、暑い寒いはエアコンで凌ぎ、空気の入れ替えは換気扇で問題解決してほしい。という設備。

嘉手納基地周辺で育った私は、幸か不幸か10分も居れば耳が慣れてしまい、つい窓全開。風の具合は自然風で十分なのです。

そして、ご説明しておきたいのがトイレやお風呂の事。
ベランダ部分を壁で区切り、屋根を取り付け、水回りをコンパクトに増築しています。外壁のレンガタイルとお手製のようなざっくり壁、奥行きのあるトイレ、幅73cmしかない細長いバスルーム。
白と緑のツートーンカラーでコンパクトすぎるバスタブは、湯に浸かる時は膝を抱えて座る格好になると思います。そして、おひとりずつでご利用いただくことになるかと思います。

また洗濯機置き場が相当狭いので、機種やサイズが限定されること必至です。

と、ここまで充分おもしろ満載ですが、特筆すべきは屋上の倉庫。
玄関横にあるかなり際どい階段で屋上に上がると、幅5.8m、奥行き約8mの46平米もあるコンクリートブロックと鉄骨屋根の倉庫があります。

窓もなく、照明器具もないため、ドアを開け放って光を取り込まないと真っ暗ですが、なかなか状態が良く、作業場や集いの場など想像を掻き立てられます。ご自身で電気を引込むのも、窓の取り付けなどの改装もオッケーです。この倉庫も月額1万円で借りられますので、この空間を利用しない手はないです。

場所は嘉手納町の「水釜」信号と陸橋のすぐ前。国道58号線沿いに立地するレンガタイルの建物。
駐車場は1台のみで、大型車は駐車できませんが、普通のアパートじゃ得られないこの雑多な感じ。どうしてかしら吸い込まれます。
お部屋や倉庫までの階段は「足元にご注意ください！」なのですが、こういうの嫌いじゃないって方いますでしょう？

text：たくし