器用な人は、なんでも自分でササっとやってしまうのが上手に見えますが、
得意な人を見つけてきて「手伝ってくれる？」と甘えるのがとっても上手。
その人柄と立ち居ふるまいにメンバーがわいわいと集まって、
面白いこととがはじまる予感を感じさせます。

那覇空港から国道58号線を車で北上して約20分の浦添市城間にあるリノベーション済アパートの一室をご紹介します。
浦添ショッピングセンターまで500mほどなのでお買い物にも便利。
那覇市はすぐお隣さんなので、那覇通勤の方も通勤圏内ではないでしょうか。

外観はいたってふつうですが、驚くなかれ。中がすごいです。
平成と共に30余年過ごした跡が所々に残る、秘密基地のようなお部屋です。
南西北3面からの採光で、日中の室内での作業にはうってつけの明るさ。
アパートでは珍しい土間はどう使いましょうか。
大工さんなら大きな作業机をドンと中央に備えた作業場として、
ライダーなら自転車を改造することも可能なゆったりスペース。

6畳和室２間だった空間が、約25畳のワンルーム。
オリジナルの特注ステンレスのキッチンとおそろいの安定感のある作業台は料理するのも楽しくなりそう。
天井を見ると間仕切りの残り香が。

チャームポイントは、土間に備え付けられたマグネットボードの壁。
段ボールアート作家、rubodan（ルボダーン）のギマトモタツさんの作品から着想を得て
オーナーさんが制作したものです。

壁はむき出しのコンクリート。
無機質に見えますが、壁にアクセントカラーが黒・青・緑の３色。
オーナーさんの遊び心がうかがえます。

照明は、手元を明るく照らす作業用の白色と、夜の帳にそっと灯したい黄色の両方を採用。
昼の顔と夜の顔とがガラリと変わりそうなツールの一つです。

「あれ？取っ手がない！」脱衣所へと続く緑色の大きなドアはマグネット式。
扉の中には空色のタイルに囲まれた水回りが現れます。
どこでもドアのような桃色のトイレの扉、鏡付きの洗面台、陶器の石鹸置き。
敢えて残した昭和感に、胸がキュンとします。

押し入れなど隠す収納を取っ払ったため、手作りの吊り収納棚が合計3か所。
オーナーさんのこの部屋へのあたたかい愛情を感じます。

目をキラキラさせた少年の心を持ったまま、日々の暮らしを楽しんでいる人たちの姿は、
周りから見ていてほれぼれします。そういう人が選ぶものには一見すると癖があったり、
心くすぐられるイタズラがあったりしますが、
それを一緒に笑って過ごせる仲間や家族と一緒なら
より豊かな気持ちで過ごせるのではないでしょうか。

濃い緑の扉を開けた時に「ここで何して遊ぼっかな？」と
ワクワク想像がふくらむのがこの部屋の持ち味です。