コンクリートの門。コンクリートの駐車場。コンクリートの外観。
コンクリートの上にそびえる、お年を召したコンクリートの建物。

まずは、200坪の広いお庭。建物をぐるっと囲むように木々が立ち並び、見守ります。
畑もできちゃうほどのキャパシティー。家庭菜園もはじめちゃったりして。
コンクリの駐車場には、美しいカーブを描いたスロープなのでしょうか。この曲線、たまらない。

玄関をくぐって中に入ると、昔ながらのふすまで仕切るつくりの4LDK。
贅沢に広いお部屋にしてもヨシ、家族の形に合わせて部屋数を設けてもヨシ。
当時モノのかわいいキッチン回り。何とか直して使えないかな…。
レトロな模様の擦りガラス。こういった細部も残していきたいものですねぇ。

糸満の緑豊かな地域で、小中学校も徒歩5分圏内。子育てにも良い環境ではないでしょうか。
海は見えないけど、ゆったりと時間が流れる、そんな素敵な場所です。


…だがしかし、築年数も相まって、コンクリの剥がれや亀裂、水回り・電気系統のチェックなどなど、
劣化しているところの修繕をしたり、自分好みにリノベをしたりすると、
正直、快適に住み始めるには少し時間的な我慢を要する物件ではあります。

石の上にも三年、いや、コンクリの上にも三年なこちらの物件。
その我慢の時間ですら楽しいのだと、私は思います。
どんな我が家にしちゃおうか、思う存分妄想してください。



…時が止まったようなお部屋の中で、ひっそりと、でもどこか楽しそうに、柱時計は振り子をフリフリ動き続けていました。
「誰か僕を生き返らせてくれないかな…」
まるで家の心臓のように、必死にその鼓動だけは止めないように。


「誰か、お客様の中に、お医者さんはいませんか?! このお家、まだ生きてます！」


みなさまのお問い合わせ、お待ちしております。



text : しばす