沖縄の住居で「木造」と聞くと、「台風大丈夫？」「湿気大丈夫？」「シロアリ大丈夫？」「なんかいろいろ大丈夫？」って、
様々な「大丈夫？」が頭の中に浮かんでくるかと思います。

しかしですよ皆さん、木造は木造でいろいろメリットがあるのです。その中でも私が一番感銘を受けたのは、湿気について。
木造の家はコンクリートよりも湿気を吸ってくれて、逆に乾燥しているときは吸った湿気を放出してくれるんです。
まるで呼吸をしているかのように、住んでいる人々に寄り添ってくれます。


今回ご紹介します物件も、そんな良さがある「木造」の戸建物件。まだ弱冠7歳という、少年のような若々しさすら感じます。
建物の前に立つと、まず目に入るのが美しい木の外壁ととんがり帽子の可愛い屋根。
そして建物を支えるコンクリートの基礎部分に作られた駐車スペース。
その両脇から「こっちへおいでよ」と手招きしているようにこちらを見ている2つの階段。

どんな構造なんだろうとワクワクしながら木製の階段を上ると、とっても広い庭がお出迎え。
ウッドデッキには真っ白なテーブルが置かれ、それを囲うように生い茂った草木が周りの視線から守ってくれます。
壁一面のツタもなんだかいい感じ。さあ、バーベキューでもお月見でも好きにやっちゃってよ！と自信ありげなご表情。
そんな庭を横目に、素敵な木製の玄関ドアを開いて、いざお家の中へ。

…え。

いい意味で期待を裏切られたような、潔ささえ覚えるような。そこにあったのは木製の「ハコ」でした。
一歩足を踏み入れたその床、土間です。その土間が、そのまま家全体に広がっているではありませんか。
一面土間のワンルーム。部屋の仕切りとか、床材とか壁材とか、そんなものはありません。目に入るのは土間と木材だけ。
内装の色々な要素がそぎ落とされた、潔いワンルーム。

新築当初は本当に一切仕切りなどもなく、まっさらな箱でしたが、オーナーが少しずつ造作の壁や棚をDIYで作成されたそうです。
そのDIYの一部として作られた木製の階段を上ると、なんと素敵なロフトスペースでしょう。
ロフトから見下ろせばお家の中を見渡せて、見上げれば美しい屋根裏の構造に見惚れる、そんな空間です。
反対側にもハシゴで登れるロフトがあり、子供のスペースや収納としても使うことができます。
これまた木材と土間で仕上げられたシンプルな水回りやキッチンも、この建物の「潔さ」を邪魔しないシンプルなものでまとめられています。


これから新しいオーナーの手によって、どんな形にも成長できるお家です。
少年のようにかわいいこのお家を一緒に育ててくれる方、ご連絡をお待ちしております。


text: しばす